株式会社Initial Engine

AI全盛の時代において、ビジネスの速度は劇的に加速している。
しかし、その圧倒的なスピードを「自社の足元のリアル」として体感できている企業がどれほどあるだろうか。

Initial Engineの佃氏が描く先進的な思想、そしてその思想を大企業の営業現場に実装するために並走したアスレバによる4ヶ月間のドキュメンタリー。
数字ではなく、そこに至るまでのプロセスを、対談形式でそのままお届けします。

インタビュイー:株式会社Initial Engine 代表取締役 CEO 佃 松三郎 様
インタビュアー: アスレバ代表 松尾 遼
担当ディレクター:岡村 英里佳

「古くて新しい」感覚。テレアポという手法を選んだ理由

佃:一番大きな違いは、アメリカにはいわゆる表敬訪問のようなものがまずない、というところだと思います。売り込みたいのか、何をしたいのか、という目的ベースで進むのが最初から違う。
一方で、現状のテレアポという手法について、私自身は一周回って、そこにこそ何か本質をつかめる糸口があるのかなと感じています。最初にアスレバさんから営業のお話をお聞きして、松尾さんとお話しした時に、古くて新しい、そういったところを感じたのが、アスレバさんにご依頼させてもらった背景になります。

時代というものがどんどん非同期になっていく中で、結局、商談を成立させる場というのは、実は同期上にしかなり得ないんじゃないか、と最近思ったりします。お客様自身が何かを自ずと探しているふわふわした状態のときに、たまたまそのタイミングで同期(電話)で入っていく。そこでインタラクティブにやり取りをすることで、商談が固まっていくのではないか。それを御社との取り組みの中で感じました。

大企業に「リニアモーターカー」を体感してもらうということ

佃:『CAIOBeside』というサービス自体は、僕らとしてはメタファーだと思っているんです。
時代がどんどん速く流れていて、AIが24時間働き続けると聞いても、多くの人にとってはどこか遠い世界の話に聞こえる。すごく遠くで見ていた「速い乗り物」に、実際に乗る。そう言い換えられると思っていて。
東京・大阪をリニアモーターカーなら45分で行ける、という世界を耳で聞いて知ってはいるけれど、実際に体験した人はまだいない。その「実際に体験する」ということができる場所を、僕らは打ち出しているんです。

【1〜2ヶ月目】まだ手探りの時期、なぜ「待つ」ことができたのか

佃:一つは、お互いにフィットするまでは時間をかけるしかないかな、というのがまずありました。もう一つは、アスレバさんとの取り組みで安心できたのは、試行錯誤の過程がどうであれ、きちんと進められているという信頼感を醸成していただけたことです。
それによって、待つということが逆にできたんじゃないかなと思っています。

【3ヶ月目】「1アポは、1アポ」からの脱却

佃:噛み合うべくして噛み合ってきたのかな、というのが一つと、それをきちんと数字で実感できたところですね。

松尾:弊社のメンバー、例えば河村などは、数字上は出ていても、ちゃんとした文脈で商談を渡せているのか、渡せていないな、という感覚を強く持っていたようなのですが、佃さんはそこまで危惧されていなかったんでしょうか。

佃:それは正直ありました。「1アポは1アポだ」という感覚が、最初の方はあったかなと思っています。
数字で言うと、初期の段階から資料送付などの数字自体は出ていたと思うのですが、その数字の中身が、しっかりしたものになっていく実感を持てたのは、どちらかというと2ヶ月目、3ヶ月目を経てから感じ始めた、というのが正直なところですね。

【4ヶ月目】自社説明を捨てた「プチ体験型商談」への転換

佃:そうですね。正直、そこまで考えていなかったというのが現実だと思います。

松尾:仕組みの土台が形になり、それがプロダクトにもつながってきたわけですが、佃さんご自身の手応えはいかがですか。

佃:まだ、確実な結果や再現性というところは、今回のスキームで最終的に重視される部分だと思っているので、そこはこの先も見守る必要があるかなと思っています。ただ、前からずっとテレアポでアポを取って資料を送って、という部分から順番に詰まっていっているなという感覚はあるので、後ろ側が固まるのはもう時間の問題のような気がしています。

松尾:今後、アスレバがさらにどう伴走していくべきかも含めて、今後の展望について感覚があれば教えてください。

佃:僕の希望としては、前段階の電話をするという行為から、最終的にお客さんと話をするというところまでが、今はシームレスに進んでいるとは思っているのですが、それがもっときめ細かく、完全に一体化しているというところが、おそらく狙っている世界観なのかなと考えています。

【ディレクターへのインタビュー】支援の裏側にあった、キーマン攻略とKPI設計の試行錯誤

岡村:当時、事業拡大のフェーズに入る中で、佃様はご自身が直接入らなくても組織として回る「再現性のある営業スキーム」を求めていらっしゃいました。
アポを取ってすぐに受注につながるような、即効性だけを期待されていたわけではありません。最初から「一緒に仕組みを構築していくものだ」と捉えてくださっていて、「スキームが本格的に機能し始めるまでには、半年ほどかかるだろう」という時間軸の見通しも、キックオフの時点でしっかりと共有できていました。

岡村:キーマンとの接点は作れても、実際の初回商談が、ご挨拶程度の「ふわっとした時間」で終わってしまうことが課題でした。当時は、キーマンのアポイントを獲得できたこと自体に満足してしまっていて、「その後の商談をどう進めるか」にまでは、こちらから積極的に踏み込めていなかったんです。
転換点になったのは、成果を出したはずなのに、MTGで佃様があまり嬉しそうな表情をされていなくて。アポを獲得したプロセス自体には全く不満はないとおっしゃりつつも、その先の商談の中身に対して、どこか寂しそうな、物足りなそうな様子だったんです。そこで自分たちの認識との間に、大きな温度差(ギャップ)があることにハッとさせられました。

岡村:商談を自己紹介や挨拶だけで終わらせず、どう変革させるか悩んでいたタイミングで、Initial Engine様が新サービス『CAIOBeside』をプレスリリースされました。
これを機に、商談の着地点を、技術やスピード感を実際にお見せする「体験型」の場へと設計を変更しました。

岡村:Initial Engine様が本当に重視されていたのは、アポ数や通電率、資料送付数といった量的な指標ではなく、「どんなトークが刺さり、どんな理由でお断りされるか」という質的な情報でした。
これに応えるため、私たちは「代表窓口の突破」と「経営企画室のキーマンの関心獲得」を分ける、2段階の管理体制を構築しました。
企業ごとに追客スコアや対応者の役職・温度感を記録し、あわせてトークの伝わり方を測る「迷子」タグを設置。スクリプトの有効性を常に可視化しています。
この「迷子」タグの増減をスクリプト改善のバロメーターにしつつ、一度お断りされた企業に対しても、時期や訴求軸を変えて再アプローチを徹底しました。これにより、失注の原因が「タイミング」にあるのか、「切り口」にあるのかを、データをもとに正確に見極められるようになっています。

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