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広告やSEO、SNSを回しているのに、なぜか成果が出ない。
リードは増えているのに、商談や受注につながらない。
多くのBtoB企業で、同じ違和感が繰り返し語られています。
問題は施策の選び方ではなく、マーケティングそのものの捉え方にあります。
本ウェビナーは、BtoB事業の事業責任者・マーケティング責任者・実務を担うプロフェッショナル層に向けて、「なぜ成果が出ないのか」「どこから組み替えるべきか」を、実務視点で整理する内容です。
マーケティングは「販促」だけではない
マーケティングという言葉は、広告やSEO、SNS運用といった販促施策を指して使われることが多いです。しかし、それだけではマーケティングは成立しません。
マーケティングは次の三つの要素の掛け合わせです。
商品力:市場で選ばれる理由となる差別化やUSP
営業力:顔が見える状態で商品価値を伝える力
販促力:顔が見えない状態で商品価値を伝える力
販促力だけを強化しても、商品力や営業力が伴っていなければ成果は出ません。販促とは価値を拡声するための手段であり、土台となる商品理解や顧客理解が欠けていると機能しなくなります。
この構造で考えると、良い営業が良いマーケターになり得る理由も見えてきます。逆に言えば、マーケティングを担う側も顧客と向き合わなければ、本質的な仕事はできません。
リード獲得は「量→質」の順番で考える
リード獲得では、量と質のどちらを優先すべきかがよく議論されます。この問いに対する答えは明確です。
まず量を確保する。その上で質を考える。この順番は崩せません。
十分な母数がなければ、どのチャネルが機能しているのか、どのリードが商談につながるのかを判断できないからです。量が出て初めて、質を見極める土俵に立てます。
ここで重要なのは、質を流入経路だけで判断しないこと。ホワイトペーパー経由、問い合わせ経由、広告経由といった分類は、あくまで参考情報にすぎません。ホワイトペーパー経由でも即受注につながるケースはあります。
最終的な質は、商談の中でしか見えてこない。
だからこそ、営業からマーケティングへのフィードバックが欠かせないのです。マーケ側も有効商談まで追うKPI設計が必要になります。
マーケと営業を分断しないKPI設計
マーケティングがうまくいっていない企業を見ていくと、マーケと営業が分断されているケースが非常に多いのが現実です。
・マーケはリード数のみを追っている
・営業はリードの質に不満を持っている
・会話が感覚論で終わってしまう
この状態を避けるには、共通指標として有効商談を置くことが欠かせません。マーケ側も営業成果の一部を責任範囲として捉えることで、初めて会話が前に進みます。
会議体のファシリテーションは、マーケ側が担う方が機能しやすいです。
これは能力の問題ではなく、業務特性の違いがあります。
マーケ側はデータ作成や集計に時間を割きやすく、事実ベースで議論を整理しやすい。一方、営業は顧客対応で手一杯になりがちです。
なお、売上目標や必要商談数の逆算といったKPIの最上流設計は、経営者や事業責任者が担うべき領域です。
広告運用は内製か外注か
広告運用に悩んでいらっしゃる企業様を多くみてきましたが、広告運用は、内製か外注かという二択で考えるものではありません。
現実的なのは、段階的に内製化していくという発想です。
月100万円前後までの予算規模であれば、外注のメリットは大きい。ダウンサイドリスクが低く、採用や教育、入れ替えのコストも発生しません。
一方、予算が拡大すると状況は変わります。媒体が分散し、データ集計や可視化の難易度が一気に上がるからです。運用そのものよりも、数字をまとめて意思決定につなげる力が求められます。
近年は広告プラットフォームの機械学習が進化し、以前ほど手動調整は必要なくなりました。運用担当を社内に置きつつ、経験者を業務委託で壁打ち役として置く形は、現実的な選択肢となります。
成果が見えにくい施策をどう評価するか
交通広告やOOHのように、直接的な数値計測が難しい施策も存在します。こうした施策は、単一の指標で評価しようとしないことが重要です。
・指名検索数の増加
・商談数の中長期的な変化
・「見たよ」と言われる回数などの肌感
完全な因果関係を証明することは難しいですが
それでも、続けるのか、やめるのかを判断できる材料を持つことには意味があります。
AI時代でもSEOは必要
AIの台頭により、ノウハウ系記事の検索流入が減っているのは事実です。SEO市場は縮小傾向にあると言えることは間違いありません。
それでもSEOを完全にやめるべきではないです。
やめてしまえば、Web上で見つけてもらう機会そのものがゼロになるから。
SEOは記事制作だけの話ではありません。ドメインの強さ、サイト設計、コーディング、そしてコンテンツの役割分担まで含めた総合設計で考える必要があります。
・集客(動線)コンテンツ
・信頼獲得(エンゲージメント)コンテンツ
・リード獲得(コンバージョン)コンテンツ
特にBtoBでは、事例や独自ノウハウといった信頼獲得コンテンツ【事例 is KING】が効いてきます。
ホワイトペーパーは接点を作るためのもの
ホワイトペーパーは自由ダウンロードにすべきか、入力必須にすべきか。この問いに対しては、入力必須を基本と考える。
ダウンロードは「こちらから連絡してよい」という許可を得る行為。
その後の情報提供やウェビナー案内につなげるためにも、リード情報は重要な資産になります。
ただし、ダウンロード後に提供できるものが何もなければ意味は薄い為、コンテンツ設計とセットで考える必要があります。
広告とSEOは役割分担で共存させる
SEOで検索順位1位を取っていても、競合が広告でその上を取るケースは珍しくありません。指名検索に対する守りの広告は、今も必要です。
BtoB領域における広告チャネルの相性はシンプルです。
・最優先はGoogle/Yahooのリスティング広告
・次点がMeta広告(Facebook/Instagram)
リスティング広告は、今まさにニーズが顕在化している層に届くため、商談化率が高いです。一方、Meta広告はリード獲得単価が安く、育成前提の施策として機能します。
マーケティングは魔法の杖ではない
マーケティングに過度な期待を寄せると、必ずどこかで歪みが生まれます。ツールを入れれば解決する、広告を回せば売れる、オートメーションを組めば営業が楽になる。そうした発想は、現場ではほとんど機能しません。
本当に成果を生むのは、人が顧客と向き合うことです。顧客の空気感を掴み、適切なタイミングで接点を持ち、対話を重ねる。その積み重ね以外に、確実な近道はありません。ここは逃げてはいけない部分です。
ただし、人が動き続けることには限界があります。だからこそ仕組みが必要であり、外注やツールが意味を持ちます。
ここで重要なのは順番。先に仕組みを入れるのではなく、人が動いた結果を再現・拡張するために仕組みを使います。
マーケティングとは、派手な施策の集合体ではなく、売上と利益を、再現性をもって生み続ける構造を設計する仕事です。その前提を外した瞬間、どれだけ施策を重ねても成果は出なくなります。
一方で、この前提に立ち戻ることができれば、打ち手は自然と整理されていきます。何をやるべきか、何をやらなくていいのかが明確になり、施策は点ではなく線としてつながり始めます。
マーケティングは消耗戦ではありません。正しい構造を描き、実行し、磨き続けることで、組織にとって再現可能な武器になります。